海外選手のいろいろなスティール技術を考察してきましたけど
この方を例に出すことはほとんどなかったと思います。
参照用動画でも彼のスローは使っていません。
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ワールドチャンピオン16回 メジャータイトル獲得80以上
ダーツの神様 フィル・テイラー。

ここまで彼だけは例に出せませんでした。
普通じゃない部分が多くあまり参考にならないからです。
ご存知な方も多いと思いますが彼のスタックは矢が上を向いたまま刺さります。
ボードに対して平行に刺さるか、もしくはウィリーした状態です。
アンダースタックと呼ばれる刺さり方。
この刺さり方なので、スタッキングは上に積み上げていくオーバースタッキングになります。
ほとんどのプレイヤーのスタッキングは刺さっている矢の下側に当てるスタッキングですが、
フィルは乗せていくスタッキング(オーバースタッキング)になります、これはかなり特殊です。
スタッキング-1
このスタッキングをするにはもちろん矢が上を向いた状態で飛んできてそのまま上を向いた状態でささらなければなりません。
文字にすると簡単そうですが、これが非常に難しい。
重力とか慣性の法則とかなんかそういう難しいものが作用するので普通なら矢は下を向いて刺さるのです。

フィルの凄さを物語る一枚の写真があります。
これはフィルのDVDから抜き出したものです。
フィルキャプチャdollis
スロー映像をコマ撮りして30枚の写真を1枚に重ねたものです。
30枚も重ねているのにフィル自身がほぼブレていないのもすごいです。
そして驚愕の放物線。
矢の動きが理解不能です。
矢が上を向いたまま加速しながらターゲットに向かっています。
この飛びができるのは世界でもフィル・テイラーだけです。
似たように刺さる人は多くいるかもしれませんが、この飛びでアンダースタックする人は他にいません。
この飛びでオーバースタッキングするからすごいんです。
よく矢が上を向いて刺さる人みかけますがあれば表抜きをして下を向いた矢先が途中でフライトによる補正を受けて矢先が上に向き始めたところで刺さっているだけです。
これでは矢先がしゃくるようにボードにささるのでフライトやバレルに邪魔されてうまくオーバースタッキングできません。
こういう人はよく弾かれて矢が刺さらないことが多いのではないでしょうか。
フィルテイラーの飛びは飛行機が着陸する時のように先端をあげてそのまま着地しています。
この違いわかりますでしょうか。

フィルはこの飛びを出すために何年も研究をしたそうです。
しょっちゅうハローズ社に行ってはセッティングや投げ方を工夫しこの飛びを作り上げていたという話があります。
そんな誰も真似のできないような技術で世界を16回もとったフィル・テイラー。
ちょっと特殊で参考にできないということがお分かりいただけたかと思います。

あっ でもこの飛びに近い人もいないわけじゃないです。
ただこの飛びでしかも特殊なスタッキングでそれで入れまくるからすごいってことをお忘れなく。
ちなみに最近スロー動画解析していて思うんですが、
日本を代表する村松治樹プロの飛びが限りなくこれに近い飛びをしているように見えます。

ではでは。