店でダーツの話をするときに、よく持ち出すのが「あそび」の重要性について。
すべり台で遊ぶ、ボールで遊ぶ、などの「遊び」ではなく
車のハンドルのあそび、ガスコンロのスイッチのあそび、の「あそび」です。

最近、店の常連さんたちからヒントをもらうことが結構あります。
そんな中でも気になっているのが、ダーツにも「あそび」が必要なんじゃないかという考え。

スローライン上での立ちかた、セットアップした利き手、利き手と反対の腕全体、肩、
ワキの状態、手首、グリップ、目線、狙いかた、リリース、力の乗せかた、投げた結果への反応。
これらすべてにゆとりとあそびが必要だという考え方。

カラダ・脳・意識・心、すべてに「あそび」があることで、
余分な力、動き、意識をうまく【吸 収】してくれて、
スムーズな動きが生まれやすくなるんじゃないか。
という推察です。

ソフトダーツの場合はどうしても点で狙うし、狂いのないシュートが必要でしょうから、
あそびやゆとりはミスにつながるのかもしれません(自分にはわかりません)
しかしながらスティールダーツにおいては「あそび」があることで、
全体のアベレージを高める効果はあると考えています。

車のハンドルだってあそびが無かったら、シビアすぎてまっすぐ走るの難しいです。
ちょっとしたハンドルの操作ミスでも走りに挙動が出ます。
でもあそびがあることで、細かい動き(ミス)を吸収してくれて、
安定した操作ができるわけですよね。
それに何よりあそびが無かったら疲れます。

ダーツにも同じことが言えるんじゃないかと。
「あそび」というものを念頭に置いてこの動画をご覧ください。
PDCトッププレイヤーたちのスローを集めたものです。
この人たち「あそび」の塊です。



全体的にあそびを感じませんか?
スローライン上での立ち方、ひとつ取ってもゆとりがありますよね。
何より楽(らく)そうです。
ウェイドのスローはとくに「あそび」が如実に出ています。
(左利きなのでカメラのアングル的にわかりやすいのかも)
スローのたびに上半身から出た無駄な力を下半身のあそびで、
上手に吸収してスローを安定させています。
こういうカラダの使い方を真似するのは難しいです。
でも「あそび」ということを意識すれば、自然とこういう動きになっていくんだと思われます。

あそびが必要なのは何もスローイングだけのことではありません。
狙い方に関しても「あそび」は重要です。
501というゲームでは、スタートしたらまずはT20を狙います。
そして最後にフィニッシュするためにはダブルを狙います。
この両者、みなさんは同じ狙い方や意識でスロー出来ていますか?

ほとんどの人はスタート時のT20を投げる時の方が狙い方に「あそび」や「ゆとり」があると思います。
もちろん外れた場合の反応にも「あそび」や「ゆとり」がありますよね。
ところがダブルを狙うときは、気づかないうちに狙いを絞り込んでしまって、
狙うということにあそびがなくなってしまっている。
これではカラダの動きにも「あそび」がなくなって、
イメージ通りの動きができなくなるのは当然のこと。
どんな場面でも狙い方、意識にゆとりを持って、そして外れても余計な反応をしないこと。
これが全体のアベレージを上げるコツなんじゃないかなって思います。

ちなみにこれスティールダーツをベースに話をしています。
ミスが許されないソフトダーツはこの限りではないかもしれません。
スティールダーツにはミスをいかに活かすか、ミスをミスにしない、
ミスしてもそれを次の矢が入るように活かすようにする、という要素があります。
スティールダーツにおいてとても大事な要素です。

ソフトダーツでブルを狙って、1ビットでも外れたら、それはミスです。
でもスティールは狙ったところから外れても、それは「マーカー」と呼ばれ
次の矢を入れやすくするためのアシストとなるのです。
自分がよくスティールにおいては「シュート力」よりも「再現力」だ!
と言うのはまさにそういう違いがあるがゆえの事です。

こういう悩みをよく耳にします。
「良い時と悪い時の差が激しい」
「スコアがなかなか安定しない」
「ちょっと投げると疲れちゃう」
そういう人はもしかしたら「あそび」が足りないのかもしれません。

かといってあそびを持ったら、いきなりダーツがうまくなるって訳じゃないです。
だけど、ちょっとずつスローイングにゆとりが生まれて、
全体の動きがしなやかになっていくと信じましょう!

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今回は「あそび」という吸収材の役割をしてくれる便利なテクニックについて書きました。
そうです「あそび」はテクニックです。

あっそうそう。
このブログも「あそび」を持って読んでくださいね。

ではでは。