今回は体重移動についてです。
ある動画に対するコメントがきっかけになりここ数週間、体重移動に関して考察してました。
スティールならではの体重移動があるんじゃないかという問題定義です。
そのことに関して今回は情報発信しようと思います、正直かなりマニアックな内容です。
読んでいただいても全員が理解してくれるとは思っていません、覚悟はしております。
そこをわかった上で興味ある方だけおすすみください。
その前にまず体重移動ってなんやねんってところからいきましょう。
これはスティールもソフトも一緒だと思います。
矢に力を伝えるためのタイミングや加速を与えることを「インパクト」と自分は呼んでます。
ゴルフ、テニス、野球でもありますね、球をとらえる瞬間だったり放つ瞬間をインパクトって言います。
インパクトをかけるって言い方したりします。
ダーツも他のスポーツと同じように体重移動をつかって矢に力を伝えます。
大事になってくるのが下半身です。
上半身だけでこのインパクトをかけようとすると、いわゆる手投げになります。
上半身の力だけでバレルを飛ばそうとしても無理が出ますし、力がうまく矢に伝わりません。
矢を飛ばす力で大事なのは下半身で飛ばすってことです。
下半身の体重移動でインパクトをかけます。
これとても大事なことです。
自分のスティールの先生である雨さんこと雨宮清英氏(新高円寺 Hot Space)
その雨さんから最初にならったのもこの体重移動、そしてインパクトでした。
ではどうやって下半身でインパクトをかけるか。
一般的なのは踏み込みです。
野球で球を投げる時も軸足をグッと踏み込みます。
それと同じです。
うまく足の裏で体重移動をして踏み込み、その力を上半身につたえて腕を振ります。
慣れるまでは体全体を大きく揺らして体重移動によってインパクトをかけます。
体重移動を意識的につかめてきたら動きを小さくしていって、
最終的には足の裏だけでできるようになります。
これがダーツの体重移動、そしてインパクトです。
多くの人がやっていると思いますが、一応説明させていただきました。
ちなみにこの体重移動。
上手にやるためには、スローラインに立つまでの体重移動も大事になります。
ここを疎かにすると上手に体重移動ができません。
トッププレイヤー達がスローラインにどうやって立つのか。
ルーティーンってやつですね。
そこはみなさんで研究してみてください。
次へ行きましょう。
ここからが本題です。
今まで自分が考えていたインパクト。
それはボードへ向かう力、、前方向に力を乗せるための体重移動でした。
スティールでも、ソフトでも同じように前へ。
ということを大事にしていました。
ところがその考えが動画に対するコメントを発端に、
スティールはもしかしてちょっと違うのかも!という考えに変わりました。
まずはその動画をチェックしてみてください、先日のPDC東京大会で撮影したものです。
この動画に対してひぐひぐこと樋口雄也プロがつけたコメントがこれ。
「皆さん体重移動がハンパない(笑)
上というか、なんなら後方にブローバックしてんじゃないか?」
ブローバック!
最初は「ん??」って思いましたがすぐに「!!」に変わりました。
あ! そうかも!!って。
もちろん「おれはいつもやってるけど」って方もいるでしょう。
でも自分には上や後ろに体重移動するという意識がダーツではなかったんで結構な気づきになりました。
ひぐひぐ本人は「このブローバックという言葉が適切かどうがわからないけど」と言っていましたが、
自分はとてもしっくりな言葉だと思ってます w
そして次の瞬間に頭に浮かんだのがジェームス・ウェイドのスロー。
これです、ウェイドがよくやるコレ。
よく見るとこれ、ただ歩きながら投げてるんじゃないんです。
ちゃんと最後の1本までインパクトかかってるんです。
とくに2本目投げるときの体重移動がポイント、足の動かしかた、、、わかります??
軸足だけみたらいつもどおりなんです。
歩きながら投げることをブローバックと言ってるわけではないんで注意してください。
あくまで歩き出しをみることでどのような体重移動をつかって彼らが投げているのかが
わかりやすいので 歩き出しの部分の動きをピックアップします。
言いたいのは彼らがスローする際にどうやってインパクトをかけているか、
その体重移動の方向に注目してます。
前方向でなく上、もしくは後ろに向かって体重移動を使ってるんじゃないかと。
ご理解いただけるでしょうか。
誰でも3投目を投げながら前に歩き出すことはあると思います。
でもPDCプレイヤーたちは体軸がそのまま、
投げてるときの状態の体軸を保ったまま逆足が前に出てくる。
センター軸の残り方が普通じゃないんです、そのまんま。
そんなわけでこれは前に向かって体重移動しているんではない!
という話になったわけです。
自分が知っているインパクトのかけかただと、こんな風に前に歩き出せないんです。
もしかしたら軸足にかけてるインパクトは前じゃなくて後ろへかけてるからなのかな。
だから後ろ足を前に出しても体軸は動かないし、
インパクトがかけられてるんじゃなかろうかなと思いました。
人によってはおれと一緒じゃんって思うかもしれませんけど w
自分としてはあきらかにソフトダーツプレイヤーの体重移動とは違うように見えます(思い込みかな)
これ誰にでも理解できることではないと思うので
もしわけわからない、何が違うのという人は読み流してください。
一応、他のプレイヤーはどうなのかと思い集めてみました。
どれも同じように見えるかもしれませんが w
チジー、ソーントン、ウェイドを見ると歩きながらスローしているけど、
後ろへの体重移動を使っている様子がわかりやすいかと思います。
体幹を崩すことなく逆足を前に出しているというところをみてもらいたいです。
彼らのインパクトは上、もしくは後ろに体重移動することで、
縦ライン重視のスロー、横ぶれを防ぎつつスムーズな腕の振りを促してます。
この歩き出しのスローだけじゃなく試合中のスローを見ても
やはり彼らは後ろ、もしくは上に体重移動を促してるように見えます。
肩抜き、肘引きなどのスティール技術は手を前出すのではなく
引くことで力を発生させるという動きが根底にあります。
包丁や鉛筆でも同じなんですが 、押すよりも引くほうがまっすぐに動かしやすい。
力もいらない、ミスもすくない、スムーズ。
線という意識を大切にして狙うとい運動は押すより引く方が有利、ミスしにくい。
故の肩抜き、肘引きのスローにつながってくるんじゃないかと。
そしてこの引くとい動作、下半身の体重移動も前ではなくて、
後ろ、もしくは体幹に向かってインパクトをかければ
上半身の引くベースのスローをスムーズに誘導できるんじゃないか
そういう結論というか仮定に行き着きました。
このGIF動画、、体そのものを後ろ方向に下げて、それにより肘が下がって手がパタンと倒れる。
手を前に出すんじゃなくて引くことで手を倒すっていう説明をしてるんですが、
このカラダごと後ろ方向にという動きを体重移動だけでやるのがブローバックです。
わかっていただけるかな w
ここまで長々と説明させていただきましたがあくまでこれはまだ仮定です。
本当なのかどうかは定かではありません。
そして彼らがそれを意識してやっているのかどうかもわかりません。
ただ、彼らが大事にしていることを行うと結果としてブローバックのような
体重移動が起こるということに気づいたことは大きいです。
彼らのフォーム、立ち方もこのブローバックに基づいた立ち方をしてるような気がしてきてます。
これは11年前に来日した世界チャンプ ジョン・パートのスローです。
ソフトダーツのクリケット中のスローです。
やっぱり前でなくちょっと後ろに力を逃がしているように見えます。
このブローバックインパクト。
ダーツだけじゃなく、他のスポーツでも起こります。
バスケットボールでのジャンプシュートだったり、野球のスローイングだったり、
自分がやっていたハンドボールでも停止状態からパスを出すときは、
自然とこのブローバックをしていたように思います(無意識に自然と)
スローイング、前にものを放るという点ではダーツも同じ。
みなさんぜひ試してみてください。
誤解しないで欲しいのは、あくまでこれをやれ!っと言っているのではないということ。
これが正しいということではなく、何これ?っていう段階です。
もしかしたらこういうことが起こってるんじゃないかという仮定です。
なので今回このような発信することで、実際に試してくれた人から、
何かしらのフィードバックがあることを期待しています。
ブローバックインパクトは体幹と縦軸を意識です。
そしてPDCの映像をブローバックを念頭に置いてたくさん観ましょう。
ドリズでも引き続き研究していきたいと思います。
この気づきで今まで見えなかったものがいろいろ見えてくるような気がします。
ではでは。