
今回はバレルの先端の形に関してです。
「ストレートバレルの謎」に続くバレルの形の謎に迫ります。
あくまでスティールダーツでの話です。
ソフトダーツにはまったく参考になりませんのでご了承ください。
スティールバレルの先端の形にはポイントに向けてなだらかになっているものもあれば、
丸まったような先端など先端の形はモデルごとに特徴があります。
(先端といってもポイントのことでなくバレルの一番前部分のことです)

最近うちの店の一部のマニアで話題になっていたこと。
それは、、、
なんで海外のモデルには先端が丸っこくなってるものが多いんだろう?って疑問。
かっこ悪くないか? ポイントに向かってなだらかになってる方がかっこいいじゃんって。

気がつけばPDC上位ランカーはフィルを除いてみんな先端が丸い。
それは何故だ??
そしてさらに気付いたことが。
先端が丸いバレルを使っているプレイヤーはみんなリリース後に矢先を上げるウラヌキストばかり。
矢先を上げるプレイヤーがみんなバレルの先端を丸くしているということは、
きっとスタッキングに影響があるんじゃないかということで、今回いろいろ検証してみました。

スティールダーツの場合、上の写真のように刺さっているダーツのバレル部分に
飛んできたダーツのポイントが当たるとバレルとポイントがくっつくようにグルーピングする
「くっつきスタッキング」が発生します。

これはソフトダーツで多くみられる芯抜き(矢があばれない綺麗な飛び)の飛ばし方ではあまり関係ありません。
矢先をあげて、フライトに風を受けさせて、放物線の途中で矢先が落ちてきた力を使う飛ばし方をすることで、
バレルとポイントが当たりやすくなりくっつきスタッキングが発生します。
そしてここからが先が丸いバレルのひみつです。
ポイントがバレルに当たるとくっついてスタッキングするのですが、
もしポイントがバレルの横をかすったり、すり抜けたり、当たらなかったら、、
そんなときに先端が丸いバレルだとそのまますり抜けることなく、
丸い部分がストッパーになって引っかかるということが実験でわかりました。

写真のようにポイントが当たらなくてもバレルでひっかかる。
これが先端が細くなっていたり、ポイントとの段差があまりないバレル形状だとそのまますり抜けてしまう確率が高いです。
しかし丸みを帯びた先端の場合はその部分がバレルにひっかかりその摩擦で巻き込んでくれるのです。

繰り返しになりますが、これは矢先をあげたスティールダーツならではの飛ばし方をした場合に有効な形状です。
芯抜きの矢先があばれない綺麗な飛びだとダーツがボードに対して並行に刺さってしまうので、このスタッキングはほとんど起こりません。
そのため矢が並行気味に上から乗せるような飛びのフィルやバーニーのバレルの先端は丸くなっていません。
あくまでボードに刺さっているバレルに対しアンダースタッキング(下から当てる)飛びに対して有効なバレル形状なのです。

このGIF動画はバレルのフライト部分を手で持って、丸み部分でスタッキングするのかどうかの実験をしたものです。
ポイントとバレルだとひっかかりが強すぎて手だと難しいのですが、
先端の丸み部分だと簡単にスタッキングするがわかります、ぜひ丸い先端バレルがあったら実験してみてください。
実際やってみると見事に先端がひっかかってスタッキングするのがわかります、騙されたと思ってやってみてください。
このようにポイントとバレルの間に大きな段差があると、
その部分がフライトに当たって傷みが激しくなるのではと思うかもしれません。
しかしながら矢先をあげる飛びの場合は矢先がおじぎをしながら落ちてくるので、
フライトにカマ掘ることはほとんどありません(わかりづらいかもしれませんが)
ガーウェン、ルイスも先端の形状は丸みのあるものを使っていますが、
20レグ以上投げてグルーピングしまくるこのふたりでも比較的フライトは綺麗です。


今回の考察まとめ。
世界のトッププレイヤーのモデルに多く見られる、
ストレートバレルの先端が丸いのにはスタッキング率向上の効果を狙ったものだった。
しかも非常に大きな効果がある。
というわけで自分の飛びによってバレルの先端の形状を選択するというのは大切、、かもしれない。

裏抜き = 先端が丸い形状のバレルでくっつきスタッキング現象の効果を高めてグルーピング
芯抜き = 先端とポイントの段差が少ない形状のバレルでシュート力による突っ込み系グルーピング
あくまで自分が考察した結果です(結果には個人差があります w)
今回の考察はここまで。
言ってしまえば「だからなんなの?」ですが、
こういうことに目を向けてクソ真面目に考察することも
ドリー的にはダーツの楽しみのひとつだと思ってます。
ではでは。