2017年4月23日 TDOイヤーズチャンピオンシップが行われました。
東京ダーツオーガニゼーション(TDO)の年間リーグチャンピオンを決めるビッグイベントです。
TDOリーグは1年間で4シーズンあります。
一番上のクラスで優勝したチームがそのシーズンのチャンピオン。
そしてプレイオフで優勝したチームがプレイオフチャンピオン。
毎シーズンこの2つのチャンピオンが決まります。
これが年間4シーズンあるので1年間で8つのチャンピオンが生まれます。
その8つのチャンピオンが集まって、年間チャンピオンを決めるのがイヤーズチャンピオンシップ。
通称「イヤチャン」です。
高校野球なら甲子園、高校ラクビーなら花園、高校サッカーなら国立(いまは埼玉スタジアム)とそれぞれ目指すところがあります。
TDOリーグならそれはイヤチャンなのです!
話が長くなりました。
そんな誰もが一度は出てみたいと憧れるイヤチャンが昨日ぽん蔵 高田馬場店で行われました。
(もちろんイヤチャンなんて関係なくリーグを楽しんでいる人もたくさんいるでしょうけど w)
今回のイヤチャンをひと言でいうと「間違いなく日本トップクラスの戦い」でした。
すべての試合のリザルトがTDOから発表されたので、
今回はその数字から見えるものを書いていきたいと思います。
イヤチャンはガロン、ダブルス1・2、シングルス1〜4の7ゲームで行われ、4ゲームを先取したら勝利となります。
(今回3-3でフルレッグになった試合はありませんでした)
スティールやってる人ならこのリザルト見ただけて吐き気がしますよね w
強烈にレベル高いです、、
まずトーナメント全体での各ゲームの平均ダーツ数とベストショートを拾ってみます。
・ガロン
全部で7ゲーム
上がり平均ダーツ数 39.5ダーツ
ベストショート 28ダーツ Soromon(小野・津村・粕谷・石渡)
・ダブルス
全部で30レグ
上がり平均ダーツ数 22.1ダーツ
ベストショート 15ダーツ Soromon(小野・石渡)、ALADDIN(饗場・柿崎)
・シングルス
全部で42レグ
上がり平均ダーツ数 18.1ダーツ
ベストショート 12ダーツ Soromon 小野恵太
・ハイオフ 164点 Soromon 小野恵太
こんな感じでした。
ガロンが平均40ダーツ切ってるし、シングルスに至っては平均18ダーツです。
今回の優勝チームであるSoromonがすべてのショートを出してます。
小野恵太選手はすべてに絡んでますね。
ちなみにガロンの28ダーツはオープニングゲームでいきなり出ましたし、
シングルスの12ダーツも最初のシングルスのファーストレグでいきなり出ました。
ダブルスショートの15ダーツはこの両ペアの対戦中にお互いが1回ずつ出し合ったものです。
しかも小野・石渡ペアは344点から石渡180ー小野164オフという強烈な上がりかましてます w
とにかく全体的にレベルが高い!!!
しかも緊迫したイヤチャンでこれだけの数字が打てることに驚きました。
今年もまた確実にレベルが上がっていました。
シングルスの上がりダーツ数を表にしました。
全部で42レグやってますが、そのうち33レグが19ダーツ以内のショートです。
シングルスの78%が19ダーツ以内で終わってます。
ラウンド数で考えると6ラウンド以内(18ダーツ)での上がりが全体の約7割。
もう18ダーツは当たり前になってきたわけです。
ということは後攻の場合、ブレイクするためには15ダーツで上がらなければ7割の確率で負けるということです。
21ダーツ以内の上がりで考えたら9割です、7ラウンドで上がれなかったら勝利は絶望的という恐ろしいレベル。
今回の結果を見てわかるように日本トップクラスのレベルは格段にあがり、18ダーツフィニッシュが基準になりました。
PPRスタッツ(1ラウンド平均点数)でいうと83.5です。
これがPDCの世界トップになると15ダーツが基準。
1ラウンド早い。
たかが1ラウンドかもしれませんが、この差がとてつもなくデカイ。
でも15ラウンドフィニッシュを基準にできないと、後攻で12ダーツは出せない。
世界と戦うなら平均で15ダーツ、スイッチオンで12ダーツ。
これが出来ないと相手の先攻をブレイクできない。
国内のレベルも上がってきましたが、ここからはいかにもう1ラウンド早くダブルを打てるか。
18ダーツで上がる相手を上回るか。
それをしっかり意識できて、そのために研究したり、考えることができる選手だけがもう1つ抜き出ることができるんだと思います。
入れる技術もそうですが、基本的にはそれ以外の部分が重要なんじゃないかなと。
300点台のアレンジも当たり前のようにできないといけないし、その段階からあと3ラウンド以内であがるという意識も持てるようにならないといけない。
18ダーツ平均をあと1ラウンド早くするって今の感覚とはまったく違うものになるはずです。
でも国内ではトーナメントもリーグも2レグ先取がほとんど。
そのために先攻をブレイクするという重要度があまりありません。
海外などは少なくとも5レグ先取です。
そうなるとやはり相手の先攻をブレイクするということが勝利の鍵になりますし、見ている側もそこが見どころになってきます。
選手同士の駆け引きも増えます。
国内で2レグ先取が主であるうちは、これ以上レベルが跳ね上がることは難しいと自分は考えます。
ショートゲームではどうしても相手の先攻をブレイクするための工夫というものが身に付きにくい。
できることなら、、2レグ先取というフォーマットが、少しでも伸びて3先や5先ぐらいのフォーマットが当たり前になってくれば、さらに国内のレベルはあがってくると思います。
いろいろ難しいとは思いますが、レベルは上がってますのでここらでフォーマットもそれに合わせた試合があってもいいんじゃないでしょうか。
リミットも45ダーツリミットじゃなくて、30ダーツリミットにすれば3〜5レグ先取の試合も時間的な面においても可能だと思います。
もちろん全部の試合をそうした方がいいという訳じゃありません。
少なくともPDC代表を決めるPDJ予選なんかはそうするべきだと自分は考えてます。
イヤチャンみて思いましたけどTDOもトップクラス(SA、SB、SCクラス)に関してはシングルスを3先でやってもいいんじゃないですかね。
あのレベルでシングルスを2レグ先取じゃ、可哀想だし、勿体ないです。
国内ダーツのレベルアップのためにもTDO Sクラスのシングルスはベストオブ5レグにする必要性を感じたし、その方が面白い。
あの早さなら時間的な問題はまったくないと思うし。
(ちなみに今回のイヤチャン 全試合が5時間程度で終わってます、早い!)
まぁTDOでSクラスだけレグ数を増やすとなると、、
他のクラスと比較ができなくなる。
アワードを出すチャンスが増えてしまう。
などの声があがりそうですが、Sクラスとその他クラスで分けて表彰すればいいだけ。
ぜひトップクラスのシングルスを3レグ先取にするっていうのは検討してほしいですねぇ。
それぐらいTDOのイヤチャンレベルはすごかった。
ぜひ観たことないという方は一度足を運んで、TDOトップチーム&選手が見せる素晴らしいダーツを生で見てもらいたいと思います。
自分もチームの仲間たちと一緒にあの舞台に立ちたいなって心から思いました。
すべてのチーム、選手に心から拍手を送ります、素晴らしかったです。
そして開催に関わった関係者様に感謝の意を、今年もありがとうございました。
みなさん本当にお疲れさまでした。
Soromon 優勝おめでとう! 強かったです!
TDOイヤチャンのダイジェストムービー
自分が会場で撮影したものをまとめて動画にしてありますので、こちらを見ていただいてイヤチャンがどんな感じなのかを知ってもらえたらと思います。
TDOイヤチャン2016(1/4)出場チーム紹介
TDOイヤチャン2016(2/4)1回戦の模様
TDOイヤチャン2016(3/4)準決勝
TDOイヤチャン2016(4/4)ファイナル
ではでは。