ドリー・ファンク・ラブ

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自称日本一のスティールダーツマニアによるスティールダーツが180パーセント面白くなるブログ

ダーツ考察

表抜きから裏抜きへ

PDJファイナルに出場経験もある大久保健。
以前から彼はリリースが表抜きであることに悩んでいました。
なんとか裏抜きリリースにしようと努力するも、表抜きリリースしかできない。
リリースは裏抜きがいい、表抜きはダメという話しは置いといて、とにかく裏抜きがしたかったんですね。
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大久保はメンタルやスポーツ関係の本を読んだり、映像を見たりと見かけによらず勉強家です。
ダーツに関してもストイックで練習量もさることながら、とにかく日々スローイング技術の研究もおこたらない頑張り屋で真面目なヤツです。

そんな大久保でも裏抜きだけはどうしてもできなかった。
そしたら1年ぐらい前に「こうなったら世界一の表抜きになるわ」と宣言。
裏抜きに憧れる表抜きナンバーワンを目指しました。

ところが、、、
今年に入って大久保のスローが激変!
とてもスローが柔らかくなったんです。
コッキングを上手に使うようになり、リリースがまろやかになりました。
以前よりカラダも突っ込まなくなってた。
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「ドリーさん、ボク裏抜きできるようになったんですよ」
その言葉を聞いても実際に見るまでは信じませんでした。
大久保のスローを見ました。

なんとびっくりするぐらい綺麗な裏抜きリリースではありませんか!
そして見事な矢先を上げた放物線を描いてボードに刺さってました。

表抜きから裏抜きへ!

大久保やりました。
それにしても、どうやって変えたのか?
あれだけ頑張ってもできなかったのに、、

表抜きしかできなくて困っている人に何かしらのヒントになればと、
大久保健がその変化の秘密を教えてくれましたので動画にしました。



裏抜きがしたいという人は参考にしてみてください。
それにしても諦めてたのに、よくできるようになったなあ。
いまの彼のスローとても良いです。

健、どうもありがとう!

ではでは。

リリースの違い

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ソフトダーツからスティールダーツの技術を覚えようとするとき、最初にぶつかる壁。
それが「抜く」リリースです。
裏抜きができないという人も同様です。
今回はこの「抜く」ということができない人へのアドバイスです。

リリースだけじゃなくて、ソフトとスティールのバレルの違いに関しても触れようと思います。
実はスティールを理解する上で、とっても大事なことなので知っておいてほしいです。

自分がよく口にするソフトとスティールの違い。
今回の話はその核になる内容だと思います。
読んでいただいて、必要に感じる部分はぜひ生かしていただいて、不要に感じたら部分は無視してください。



リリースの違い

スティールダーツのリリースは「抜き」です、「滑り」と表現してもいいかもしれません。
世界的にみてもトップ選手の多くは抜き系のリリースです。
もちろん抜かない、プッシュ系のリリースをする選手もいます。

「抜くリリース」
この意味、なかなかわからないですよね。
自分の店でもソフトの選手がスティールダーツの技術を身につけようという時、最初にぶつかる壁がこの「抜くリリース」です。

矢を制御しすぎないで、矢に任せる。
飛ばすというエネルギーを伝えすぎないで抜いてあげる。
簡単なイメージでいうと、ボウリングじゃなくてカーリングっていうニュアンス。



そう言っても最初はみんな抜くことができず、矢に力がすべて伝わっちゃう。
腕を振った分だけ矢速になって飛んでいく。

ソフトダーツをやってきたひとにとって、抜くリリースができないのはに当然のこと。
ソフトダーツではいかにミスなく力を伝えるか、そういうリリース技術が大切です。
でもそれはソフトダーツのバレル、ソフトダーツのゲーム性に合った飛ばし方で実のところスティールには向いていません。

なんでソフトとスティールでは飛ばし方が違うのか。
(同じでもいいんだけど、、)
自分は2つの大きな要因があると考えています。
その1つがバレル特性の違いによるものです。



バレル特性の違い

スティールバレルの特徴。
それは中が詰まっているということ、質量重視で作られています。
スティールバレルの褒め言葉は「よく飛ぶねぇ」ではなく、「よく詰まってるねぇ」です。
とくに海外メーカーはバレルの中を絶対くり抜きません。
質量が一番大切って考えているがゆえです。
バランス配分やデザインを重視してバレルの中をくり抜くということをしないのがスティールバレル。
(これは考察とかじゃなくて某有名メーカー技術者のお墨付きの事実です)
スティールメインの海外メーカーと、ソフトメインの国内メーカーが作るバレルの大きな違いがここにあります。

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スティールのバレルは先端が鉄、重さもあるし、質量も高い。
楽に飛ぶし安定しています。
しかも刺さった矢には矢角がつくし、それを生かすスタッキングという技術もある。
スティールのバレルはその部分の特徴が生きるよう質量を第一に考えて作られます。
そういうバレルだとスタッキング時に弾かれることも少なく、力をたくさん伝えなくても矢が飛びます。
必然的に飛ばすスローイングよりも、方向性や再現性を考えたスローイングになります。
抜くリリースをして矢にやらせるという理屈です。

一方でソフト用のバレルは先端がプラスチック、重さも軽い、質量も低い。
なので飛ばない(仕方がないです)
だから飛ばさなきゃいけないし、ミスなくコントロールしてあげなきゃいけない。
そのため、飛ぶカタチ、リリースで力が伝わるカットなど、飛ばすことを重視したデザインや設計がされています。
そこに関しては国内メーカーのバレルはとても秀悦。

ゆえにソフトダーツ出身の人はみんな矢を飛ばす為のフォームだし、そういう立ち方、そういう投げ方、そういうリリースです。
ソフトダーツなら、それがセオリーだと思います。

でもスティールはバレルの特性、ボードへの刺さり方が違うので、結果フォームも違えば、立ち方も違う、リリースの仕方も違ってくるのは当然なことだと思います。
自分がソフトとスティールは違うという大きな理由はここにあります。

この違いを理解していないから、重いバレルを使えない人が多いのかもしれません。
重いバレルは勝手に手から離れてくれるし、よく飛びます。
だから無理に制御するんじゃなくて、やらせてあげることが大切。
無理に飛ばそうとすればするほど、力と力が喧嘩して上手に扱えない。
重いバレルって本当はとても簡単なんです。
イギリスではユース選手や女子選手の多くが重いバレルを使っています。

スティールバレルとソフトバレルの特性の違い。
ご理解いただけましたでしょうか。
質量重視 vs デザイン重視
スタッキング重視 vs 飛び重視
質量多め vs 質量少なめ
重い vs 軽い
などなど。
どちらがいいとかではありません。
道具の違いです。
この特性の違いがあり、それを生かすための技術。
ベースとなるものが違うので、投げ方などが違ってくるということです。

国内ではこのことを知らないメーカーさんがほとんどだと思います。
日本はソフトダーツの国ですから、ソフトダーツ重視で製品開発されるので当然のことでしょう。
それでも一部のメーカーでは、この特性のことを知って、スティールの研究に注力。
すでに素晴らしいプロトを製作しはじめているところも出てきています。
ソフトとスティールの違いという観点においてバレル特性の違いはとても大きな要素です。
国内メーカーさんにもぜひその事を知っていただいて、さらに良いモノ作りをしてもらえたらと思います。




グリップのなかでダーツが動く

ソフトダーツで長年鍛えた方ほど、「抜く」リリースが苦手のようです。
それは抜くということがソフトダーツだとミスに当たるからなのかもしれません。

ソフトはダーツが手から離れるまで、基本グリップとダーツの関係はそれほど変化しません。
しっかりとグリップして、リリースポイントで矢が動きだしてリリースされます。
しかしスティールダーツはテイクバックから矢を前に動かすと同時に手首が返りはじめ、そのとき手首の動きに合わせてグリップの中で矢が動きます。
グリップの中で矢が滑りだすっていう感じでしょうか。
手からバレルが離れる以前に手首を返しながらグリップの中でバレルが動きはじめます。
腕の振りだけでなく、手首の返しがあって 矢が動き始めるというのが重要。
それをスムーズに行うための動きがコッキングになります。

注意すべきは、指から離れる際にいきなり矢を抜くのではないという点。
テイクバックをしたところから、前方に動き始めるとほぼ同時にグリップの中でバレルが抜け始めます。
点ではなく線で離していく、リリースポイントではなくリリースゾーン。

グリップの中で矢が動く。
そして矢が勝手に指から離れてリリースされるという一連の動きが「抜き」です。
リリースの瞬間に抜こうとしても抜けません。
多くの人が最初は「抜き」という感覚がつかめない理由がここにあります。
リリースだけで抜こうとしてしまうためです。
指から離れる以前に、グリップの中でバレルが動く。
それが抜くというリリースにつながります。
文章で伝えるのは難しいですね。

説明動画作りましたので貼り付けておきます、ぜひご覧ください。



手首を固定して、矢にインパクトをかける人が多いソフトダーツでは、グリップの中で矢が動く、矢がすり抜けていくという感覚はなかなかわかならいことだと思います。
もちろんソフトダーツでもそうやっている人はいると思いますが、少数派でしょう。

このリリースの違いがわかっていないと、PDCプレイヤーのリリースを見ても理解することが難しいですし、本当の裏抜きや表抜きはできません。
これを理解して上手にできるようになると「抜くリリース」でもきちんと矢をコントロールできるようになります。

手首の返しは投げるためじゃなくて、矢を抜くための動作。
そう思って練習してみてください。

リリースの時にダーツを支えている指がすべて同時にすり抜けると無回転。
親指にのせて滑らせると左回転がかかります(右利きの場合)

非常に微妙な部分で文章だとわかりづらいかもしれません。
それでも何かしらのヒントにしていただけたら嬉しいです。
今回はソフトとスティールのバレル特性の違いというテーマにも触れましたが、
これはソフトとスティールの両立という話になったときに欠かせない要素です。
知っておいていただけると役に立つと思います。




最後にここまで読んだうえで見てほしい動画を貼っておきます。
リリースの瞬間に抜くんじゃなくて、グリップの中ですでに抜けはじめてる。
それがわかりやすい動画だと思います。

ではでは。

アレンジ考察 予告編

ダーツ誌『NEW DARTS LIFE』にPDJ観戦記を寄稿させていただきました。
いつもは2,500〜3,000文字の指定で依頼されるんですが、何も言われてなかったから過去最多の文字数4,393文字も書きました。
そんなに書くつもりなかったんですけど。
ページ数そんなに用意されてなかったら大幅カットとなりそうです。

IMG_5712
いつもなら大会への 文句 提言ばっかり書いちゃうんですけど、今回はちゃんと試合のことを中心に書きました。
そして一番文字数を割いたのが「アレンジ」に関してです。

アレンジというのは、ダーツの01ゲームで最後ダブルで上がるために数字を整えることをいいます。
ただひと言でアレンジと言っても、人によってアレンジの考えや意識が違うので、今回自分なりのアレンジの考え、想いを書こうと思います。

今回PDJファイナルを見て一番感じたのは、みなさんアレンジを知らないのに高いアベレージ出せるんだなーってこと。
出場選手でアレンジの知識がある人はほんのわずかでした。

アレンジと言っても何点残りでどこに打てばいいっていうレベルの話じゃないですよ。
それ知らなかったらあそこには立てない w
アレンジ表を覚えるという話ではなく、もっと大きな枠でのアレンジです。

どの選手もダーツめっちゃ上手いだけに、ほんともったいないなと思いました。
アレンジをもっと理解していれば、あのシュート力がさらに活かされて、あと2本早くダブルに辿りつけるなって思いました。

年々国内スティールの数字は上昇傾向です、でもそれってシュート力が上がっただけなんです。
ダーツ上手なソフトダーツプロがスティールをやるようになったから、スティール全体の数字が上がっただけです。
アレンジの知識やレベルは、ほとんど変わってない。
なぜならみんなソフトダーツが主戦場だから。
ソフトダーツならそこまでアレンジ知らなくても、シュート力さえあれば戦えるから。
だからアレンジのレベルが上がらないのかなって思います。

ソフトダーツがダメだって言ってるんじゃないですよ、そこはゲーム性が違うんで比べられないです。
ソフトダーツはアレンジいらないっていうことでもないです。
ソフトダーツでもアレンジの知識がしっかりしてる人はやっぱり強いですよ、01のゲームメイクが違う。
知らない人は気づいてないけど、アレンジ知ってる人は1ラウンド早くダブル出してます。

たしかに、いま世界と日本の差はだいぶ縮まりました。
国内トップクラスの平均ダーツ数は18ダーツ弱。
PDCトップクラスの平均ダーツ数は15ダーツ弱。
この3本(1ラウンド)ってめっちゃデカいです。
そしてこの差を縮めるための近い道がアレンジかなと思います。
もちろんシュート力だったりスタッキングの技術向上は必須です。
でもアレンジをマスターすることで、アレンジ時のシュート力ってあがります。
アレンジは希望の光です。
いまのシュート力があれば全然世界に通用すると思います。
足りないのはアレンジ。
そしてアレンジを肌で知ることにより生まれるスティールならではのリズム&テンポをマスターすれば、、、

シュート力だけに頼るダーツを卒業して、アレンジを身につけ、よりスマートに数字を減らしダブルに寄せる。
501というゲームを攻略すれば日本のスティールプレイヤーはすぐにでも世界で通用すると思います。

Dont-think-Feel-Enter-the-Dragon
アレンジ習得で大事なのは、頭で覚えるのではなく、肌で感じられるようになること。
ブルースリーも言ってるじゃないですか。

ダーツの技術的な練習は矢とボードがないとできませんが、アレンジの練習、研究はどこでもできます。
忙しくたってできます、ウ◯コしながらでもできます。

アレンジ習得は日々の研究と対戦経験が大切です
さくさんPDCの試合をみて、電卓をたたき、いろいろなパターンを研究し、アレンジの引き出しを増やし、実際のボードで試して、外れた場合、入った場合、そしてそのリズム性を肌で感じ、これらすべてを頭でなくカラダに叩き込むことが大切なのです。
考えるのではなく、自然と体が動く、、そうなるようになって初めてアレンジです。

7月にPDC東京で来日したコーラーのラス・ブレイがもらした「日本のプレイヤーはアレンジがぜんぜんできてない」という言葉はこのことを言っています。

アレンジのこと偉そうに書いてますが、自分も日々勉強中です。
とはいえ、国内屈指のスティールオタクであるという自負があります。
日本のスティーラーが世界で活躍するのを見てから死にたいんです。

PDCプレミアリーグに日本人が選ばれるのを見たいんです!!!

PDJファイナルで素晴らしいダーツをみせてくれたトップ選手たち。
その選手たちの戦いを来月発売されるNDLで批評させてもらいました。
アレンジに関しては批評というより苦言になってます。
書いたからには、知っているアレンジの知識を、アレンジのヒントを発信しないといけないと思いました。

そんなわけでNDLで記事を読んでくれた読者の方に、
自分がいうアレンジの真意をちゃんと説明しておこうと思います。
緊急特集で「アレンジ考察」発射します。
ドリズTVと合わせて近日発信予定です。
楽しみにしていてください。

アレンジってもしかしたらスティールダーツで一番楽しい要素かもって思います。
覚えなきゃ!じゃないんです。
アレンジを研究する楽しみを知らないなんて、神戸牛に焼肉のタレをべちょべちょつけて食べるみたいなもんです。
もったいなすぎる!!

次回 PDJファイナル観戦後の緊急特番「アレンジ考察 本編」をお楽しみに。

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ではでは。

  



    スティールダーツ考察まとめ


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